2月7日、一休さんの町、京田辺市の市職員様にむけて、やさしい日本語研修を行いました。
一般社団法人チームやさしい日本語からは、講師は老邑敬子、アシスタントは松村文子、福田一也が担当しました。
今年で3回目となる研修、毎年、多様な部署から60人近い方が参加をされますが、いつも気づきと笑いに満ちた2時間になります。
今回も、旗当てクイズで「フィリピンの旗は、戦争状態にあるときは上下が逆になり、上が赤、下が青になるんですよ」
という小ネタに「へーッ」と声をあげてくださり、講師はニンマリでした。

前半はやさしい日本語のレクチャーにプラスして、役所の窓口での外国人対応についてもご説明しました。
「外国人だと思って身構えない」、「スタートの言葉は、どんな人にでもやさしい日本語で」、
「わかったかどうか確かめる時は*オープンクエスチョンで」など、例をあげてお話しすると、懸命にメモを取られる音が
聞こえてきます。

後半は10グループに分かれてのワークショップ。
同志社大学の留学生等、各グループに一人ずつ外国人が入りました。
「おみくじ」の箱の写真を見せて、「これを外国人の参加者にやさしい日本語で説明してください。」という、
文化や言葉について、ふかーく掘り下げられる問題。
このワーク、今までにもあちこちで行っているのですが「こうやって振って~」、「中から棒がピュッと…」と、
アクション系の解説が多く、御籤箱(そういう名前だそうです)を知らない外国人が大笑いしている間に時間切れになったことも。
今回はここで、強力な助っ人が登場!アシスタントの福田の奥さん作のミニチュア御籤箱です。
「吉と中吉はどっちがラッキーなの?」などという質問にも答えられるよう、ラッキー度のチャート付き。
これを見せながら、「振ります。棒が出ます。大吉です。お金をたくさんもらうことが出来ます。」などと、
「リアリティのある教材って大事だなあ」と改めて感じた傑作でした。
ちなみにこの箱はあの「コアラの形」をしたお菓子の箱の再利用。
会場の京田辺市中央公民館の向かいが消防署ということもあり、消防士の皆さんも多数参加されました。
防災無線を聞いての解説は、「難しいなぁ~」とおっしゃりながらも的を射た説明。
また、市役所で防災無線を担当している方もおられましたが、「流す方やから町で流れている音を聞いたことがない」
というお話は意外でした。

皆さん積極的にワークに取り組まれ、京田辺市でのやさしい日本語の広がりを見ることができました。
一休さんの町の職員の皆さんが、やさしい日本語ととんちで、外国人とのコミュニケーションを
スムーズにできる日は目の前と感じました。「慌てな~い。慌てな~い。」ですね。
*オープンクエスチョン YES/NOで答えられない質問。
例えば「次は、来週金曜日、6時に来てください。」という説明をして、「わかりましたか?」と聞くのは、クローズドクエスチョン、「次はいつ来ますか?何時に来ますか?」と文章で答えなければならない質問がオープンクエスチョン。 (記:老邑)
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